イナシデス、恋愛について、かく語りき
恋は一過性のもの。愛も一過性のもの。
愛と恋は、長距離走と短距離走以上に、違う競技である。
男の愛の半分は、責任で出来ている。女の愛の半分は、狂気で出来ている。
自分の色恋を得意げに語る女、終身刑。自分の色恋を得意げに語る男、死刑。
恋愛論を語りたがる人、顔が別のことを語っている。
異性にモテる者、比較的嘘つき。異性にモテない者、嘘をついても無駄なだけ。
若い女は、無垢ならモテる。若くない女は、品があればモテる。歳をとった女は、金があればモテる。もっと歳をとった女は、何もしなくとも、死神にはモテる。
悪い男は、まず女を誉め殺しにしてから、何もかも奪っていく。
頭の中でする恋愛は、体を使ってする恋愛より、健全とは限らない。
正直過ぎる男女の恋愛、かえって醜い。
男女の友情は、一度でも、この人と結婚したら、と想像すれば恋愛である。
女の涙に希少価値なし。男の涙に存在価値なし。
恋をしたことのない女は、恋多き女を、まるで性病患者のように眺めている。
女は、悲劇を演じたがる喜劇役者である。男は何を演じても、ただの大根役者である。
男の欲求に大義はいらない。女の欲求には、戦争と同じくらいの大義がいるのに。
結婚にこだわる愛には、何か不純なものが混じっている。とはいえ、結婚にこだわらない愛も、同じことである。
永遠の愛を求める者、欲張り。一過性の愛を求める者、ただの快楽主義者。
愛は不幸の始まり。しかし、何も始まらないよりはマシ。
恋愛により、自尊心の傷付いた男は、おとなしいロバ。恋愛により、自尊心の傷付いた女は、手のつけられない暴れ馬。
万人への愛は、愛ではなく、ただの空想である。