イナシデス、青春について、かく語りき
青春とは、若さゆえの特権ではなく、力があり余っている人間の、特権である。
自分を見失っている者ほど、青春を謳歌する、資格がある。
青春とは、恥をかくのが、楽しくなる時期のことである。
青春とは、明らかな時間の無駄を、全く、気にしない時期のことである。
中年や老人の思い出のために、青春があるのではない。今を生きる若者のために、青春はある。
青春とは、全ての老人に、別人の時代があったという、証明である。
老いて、青春を取り戻そうと、奮起する者は、たいがい、恥知らずであることが多い。
死ぬまで青春という者、周囲が迷惑!
女に青春は、似合わない。女は、男より、羞恥心があるから。
女の青春は、社会の慣習に奪われたまま、未だに、返してもらえていない。
女は、男たちの青春の中に、飛び込んではならない。きっと、邪魔者にされる。あるいは、もっと、嫌な目にあうだけだから。
青春時代に、友人を作れなかった者は、概ね、その後も、大した友人は出来ない。
良い青春を送った人間の、その後は、案外、つまらなかったりするものである。
面白い青春は、どこか、犯罪の臭いがする。
青春は、金がない方が、面白くなる。
青春は、何かに反発している方が、面白くなる。
青春らしい青春は、案外、誰も送っていないものである。
実は、青春とは、ただの幻想に過ぎない。
人生に、しっかりした目標がある者は、青春という幻想に飛び込んで、無駄な時間を過ごすべきではない。
美しい青春を彩るものは、決して、恋愛や友情などではなく、大事な人の死である。