イナシデス、幸福について、かく語りき
幸福は、色々捨ててから、やって来る。不幸は、色々と持ち過ぎるから、やって来る。
幸福は、日常の中にあるものであって、空想の中にあるものではない。
幸福は、掴んだ瞬間、幸福じゃないような気がしてくる。
自分だけの幸福は、うしろめたいばっかりで、次第に、幸福じゃなくなっていく。
何も起きないという幸福。そして、幸福という退屈。
計画を立てるのが好きな人、実現しなくても幸せな人。
面倒臭がりでいられる人、幸福な環境。
やたら忙しいのも、やたら暇なのも、幸福の証。
不幸な人、他人の悪い面より、良い面ばかり見て、自分を嘆く。
不幸な人ほど、小さな幸福を発見する能力がある。
不幸な人でも、基準だけ変えれば、不幸でもない人に変身出来る。
一瞬だけなら、どんな人生にも、輝きがある。
幸福な人ほど、無意識に自爆してしまうものである。
何かひとつ興味があれば、それが生きる理由になる。
花(人生・才能)は、いつも予告なしに開く。
欲張らない、憎まない、先のことは考えない。これを守るだけで、少しは気が晴れる。
幸福も不幸も、本当に強引な訪問者である。
長い幸福も、長い不幸も、どちらも、その後の幸不幸の物差しを狂わせる。
幸福な人は俗である。不幸な人は、もっと俗である。
幸福と思い込むのも知性なら、思い込めないのも知性である。