イナシデス、隣人について、かく語りき
あの人、もっと気にするべきことがあるのに、占いばかり気にしている。
知識のある人、無駄口多い。知識のない人、いつも同じ話。
人を褒めたがる人、裏のある人。人を貶したがる人、裏を見せているようで、まだ裏がある人。
たいがいの人間は、善でも悪でもなく、軽く嫌な奴。
良い人だけど、気の利かない人もいれば、気が利くけれど、厭らしい人もいる。
何かしそうな人物より、何もしていない人物の方が、怪しい顔をしている。
冷たい人も、温かい人も、別の種類の合理主義者に過ぎない。
不謹慎な人間より、冗談が通じない人間の方が、タチが悪い。
間抜けな自慢したがりは、つい、この間、健康自慢をしていたのに、今は、大怪我自慢をしている。
あの人は、貧しいが決断力がある。きっと選択肢がないせいだろう。
話をしなくても、理解し合えている相手を失うことは、人生において、大変な損失である。
負担しない人より、嫌な人、恩着せがましい人。
運の良い人、秘密がバレない。頭の良い人、誰とも秘密を共有しない。
弱者を責める人も、強者を責める人も、結局、思い上がっている。
偉くなったから、選らそうにする人は、悪い人というより、普通の人である。
人のためにやっている、と言いたがる人間、責任転嫁が巧み。
厄介者の精神力は、人並み以上である。
みんなそれぞれ思い上がっていて、世の中は、下らない小貴族でいっぱい。
大半の人間は、世間を知ったつもりの、世間知らずに過ぎない。
私は、多くの人間が、完璧と評価した者すら、十以上の欠点を発見出来る、性格の悪さの持ち主である。