ギリシャの哲学者ソーザ・イナシデス名言集

ソーザ・イナシデス(1679生~1731没) 日本で全く無名というだけではなく、祖国ギリシャでも忘れさられた存在。簡潔・明快な短文の名手で、大量の日記と書簡に、多くのアフォリズムを残した。

イナシデス、金について、かく語りき

 

 金があっても仕方ない。金がないのは、どうしようもない。

 

 金を欲しがるのは恥ではない。不必要な金を欲しがることが恥である。

 

 ゴールは金ではない。しかし、スタートするのに金がいる。

 

 運で金が入ることはあるが、金で運は買えない。

 

 健康は金で買えない。たいがいの者は、健康なだけで、大したものは買えない。

 

 金で安心は買えないが、富裕な者は買った気になっている。

 

 究極の幸福は金で買えない。買ったと思っている人は、不幸な人である。

 

 金がないのに幸福を感じられる人は、金があるのに幸福を感じられない人より、優れていると言える。

 

 金にこだわれば、気が狂う。金にこだわらなければ、生活が狂う。

 

 俗物は、気を使うことと、金を使うことが、一緒の行為になっている。

 

 人生の転換期は、大金と共にやって来る。あるいは、大金が去ってやって来る。

 

 金なんか要らない、と憤慨した翌日には、金がいる話がやって来る。

 

 たとえ正当性があっても、金のない人から金を受け取るのは、不快である。

 

 たとえ金のない相手でも、貸した金を返しに来ないのは、不快である。

 

 金がなくなれば、自分にとって何が不必要なのか、考える機会にはなる。

 

 無料は無責任。何処かの誰かに、無理な負担をさせているだけ。

 

 苦労を金に換算出来ると考えるのは、間違いである。逆に、金に換算された方が惨めである。

 

 金がないことは、孤独になることと同じである。

 

 金という盾がなくなれば、自然と傷付く回数も増えていく。

 

 金の要らない人、将来の展望のない人。

 

イナシデス、交際について、かく語りき

 

 利益だけの関係も良いだろう。しかし、双方に、多少なりとも敬意がなければ、心が病むだろう。

 

 成功しても、失敗しても、忘れてはいけない世間体対策。

 

 人の評価を気にする人は、人の評価を気にしない人の倍、精神力がいる。

 

 世間体ばかり気にしている者は、道徳家ではなく、人間不信に陥っている者である。

 

 人望のある者、誰かに利用される。人望のない者、誰から見ても、利用価値なし。

 

 自分を安売りした時ほど、誰も買ってくれない。

 

 聖人ぶっても、得るもの少ない。俗人ぶったら、失うもの多い。

 

 くだらない人間を信用してはいけない。人間を憎悪する、切っ掛けになるから。

 

 役立たずの話、案外、面白い。働き者の話、たいがい、つまらない。

 

 何も受け取らない者、気取っているだけの、打算主義者。

 

 本物の個性は、意識しなくとも、勝手に滲み出ている。

 

 真の理解者がいなければ、周囲に何億人いても、孤独。

 

 他人は資料であって、手本ではない。

 

 言い訳しないでいい相手に、言い訳させられると、後で腹が立つ。

 

 その人の自尊心を、深く傷付けることが出来るのは、他人以上に身内である。

 

 やたらと他人の心配をするのは、多くの他人に依存している証である。

 

 自立とは、誰がいなくなっても、どうにかなるということである。

 

 誰からも好かれる人、誰よりも不自由な人。

 

 人間は人間に磨かれる。どんな人々に出会うかで、自分の形が変わる。

 

 みんな恩人、みんな邪魔者。

 

 

 

 

イナシデス、心理について、かく語りき

 

 他人の評価を受けている時こそ、自分を見失っている。

 

 みんな自分が不自由になることを恐れながら、他人が自由になることを恐れている。

 

 出来ないと思えば、何も出来ない。出来ると思えば、たまには出来る。

 

 人を最も苦しめるのは、現状ではなく、記憶である。

 

 嫌な過去は、成功で塗り潰せるかというと、そうでもない。

 

 信じられないのも弱さゆえ、信じてしまうのも弱さゆえ。

 

 笑顔ですら、誰かの怒りの導火線。

 

 異常な憎悪の持ち主は、事実がそうさせている以上に、妄想がそうさせている。

 

 不幸な人が僻みっぽいのは仕方ない。しかし、不幸でもない人が僻みっぽいのは、どこか病気。

 

 嫉妬もしない、嫉妬もされない。凄い才能。

 

 悪い嘘つき。欲張り、見栄っ張り、嫉妬深い。

 

 世の中、どうでもいいことばかり、と言いながら、みんな結構気にしている。

 

 誰かを全否定しようとする者の、救いのない思い上がり。

 

 気遣いの人も、気を使わない人も、誰かを不快にしているという意味では、同じである。

 

 人を殴りたいと思う気持ちは、人をなぶりたいと思う気持ちよりは、健全である。

 

 どんな卑屈な人間であっても、何かしら自慢をしたがっている。不幸な人が、その不幸について、誰かに語りたがるように。

 

 世の中に毒づきたくて仕方ない人、孤独な人。

 

 若い自殺者ほど、理想主義者。老いた自殺者ほど、現実の敗者。

 

 解決しなくとも、不安になることはない。逆に、解決した時こそ、安心してはいけない。

 

 人生で最も重要なことは、人生で最も重要なことについて、考えないことである。