ギリシャの哲学者ソーザ・イナシデス名言集

ソーザ・イナシデス(1679生~1731没) 日本で全く無名というだけではなく、祖国ギリシャでも忘れさられた存在。簡潔・明快な短文の名手で、大量の日記と書簡に、多くのアフォリズムを残した。

イナシデス、読書について、かく語りき

 

 面白い本とは、読んで、記憶に残るものというよりは、読んでいる時、今を忘れさせてくれるものである。

 

 良い本と出会いたかったら、その何倍も、悪い本との出会いをしなければならない。

 

 一冊の良書は、百人とのお喋りにも勝る。

 

 良い本は、何度、読み返しても楽しめる。悪い本は、何度、読み返しても、同じようなところで、断念する。

 

 つまらない本ばかり、勧めてくる友人とは、縁を切った方が良い。面白い本ばかり勧めてくる友人も・・・もしかしたら、人生の邪魔といえる存在かも知れない。

 

 恋愛において、読書の趣味なんてものは、意外と問題にならない。

 

 残念ながら、我が国で、読書好きを自認する者たちは、インテリより、インテリ風の方が、圧倒的に多い。

 

 一流の読書家は、飛ばし読みが上手い。三流の読書家は、いつでも、熟読。

 

 一冊の本を読むことで、解決するような悩みは、本当の悩みではない。

 

 人生の答えが、たくさん載っているという触れ込みの、本の作者は、きっと、詐欺師である。

 

 思い上がった人間は、本をたくさん読んではいけない。何もかも、知ったつもりになって、すぐ、誰かをバカにするから。

 

 どんなに分厚い本を読んでも、そこから得られる知的栄養など、たかだか数行分である。

 

 本で得た知恵や知識は、意外と、すぐ忘れる。

 

 人生に成功すると、読書の時間は奪われる。それが嫌なら、さっさと失敗すること。すぐに、読書の時間が与えられるから。

 

 短い時間は、読書に費やしなさい。長い時間は、読書以外に費やしなさい。

 

 一冊の本に、すぐ影響を受ける者は、読書家とは言えない。

 

 一万冊の読書をした者は、きっと、誰の影響も受けなくなるだろう。ただし、人生の大半との引き換えで、得るほどのことではない。

 

 本を読むのは簡単である。内容を覚えようとしなければ。本を書くのも簡単である。内容なんて、気にしなければ。

 

 本をたくさん読んでいると、世の中には、知らない方が幸せなことも、結構、あることに気付く。

 

「本を枕にして眠ると、賢くなる」 という迷信を実行する者は、今、私が作った「本で頭を殴ると、賢くなる」という迷信も、実行するに違いない。

 

 

 

イナシデス、不倫について、かく語りき

 

 不倫をしている者に対して、過剰に責めたがる者は、不倫をするより、不幸な結婚をしている者かも知れない。

 

 モテる人間が、不倫を批判しても、説得力がない。モテない人間が、不倫を批判しても、やっかみでしかない。

 

 モテない人間の不倫には、金がかかる。モテる人間の不倫には、金が入る。

 

 他人の不倫を問題視したがる妻ほど、自分がモテていないし、夫もモテていない。

 

 個人差はあれど、妻が、夫の不倫を許せないと思う理由は、嫉妬四割、道義性三割、そして、経済問題(愛人に金を持っていかれる心配)が、三割である。

 

 より欲情的な要素が濃い浮気は許されて、ちゃんと恋愛的要素がある不倫は許さない、そんな妻が多いことは、女という生き物が、いかに合理主義的かが分かる。

 

 不倫は、世の中で、最も盛り上がる、井戸端会議の議題のひとつである。

 

 不倫は、夫婦と、その愛人が納得しているのなら、大した問題ではない。

 

 自分に対して、配慮の足りない夫(妻)より、自分に対して、きちんと、配慮してくれる者(愛人)を好きになる心理は、特に珍しいものではない。

 

 不倫は、その夫婦に、子供さえいなければ、独身者の浮気と、特に大差はない。

 

 不倫をしたら、子供が可哀想、なんて言うタイプの人間ほど、不倫をして出来た子供を、差別するタイプだったりする。

 

 うしろめたさのない不倫は、不倫の上級者のする不倫ではない。

 

 不倫の逆説、うしろめたさもまた、快感の手助けをしている。

 

 不倫は、自由な人間の行為ではない。自由を失ってもいい、と思う人間の行為である。

 

 勢いでする不倫は、勢いでする結婚より、不幸になる可能性が高い。

 

 不倫は、秘密を守ることの大切さを学ぶ、授業である。

 

 不倫をしている夫(妻)に対する、復讐方法は3つある。夫(妻)を責める、愛人を責める、自分も不倫をする。

 

 不倫を問題視したがる人の大半は、それを個別に評価せず、一般論で評価している。

 

 不倫願望は、大半の者にある。しかし、それを実行するために必要な、自身の魅力や経済力は、大半の者にない。

 

 不倫からの略奪愛を、世の中が賛美するほど、大衆というものは、自信家ばかりではない。

 

 

 

イナシデス、夫婦について、かく語りき

 

 夫婦とは、あらゆる秘密を共有する関係である。妻が夫の浮気を許せないのは、その秘密が、自分以外の女に、漏れた気分になるからである。

 

 また、それゆえ、妻が容認する愛人とは、一緒に秘密を共有出来ると感じた者に限られる。

 

 一流の悪女は、ちゃんと男と秘密を共有出来る。それゆえ、妻にするのも、愛人にするのも、悪女に限る。

 

 妻が浮気するケースの八割は、夫のせいである。夫が浮気するケースの八割は、妻のせいではなく、夫が男であるせいである。

 

 夫が浮気をした場合、妻にとって、最も重要なことは、誰かをどう責めるかではなく、夫と、別れるべきか否かを決めることである。

 

 妻が浮気をした場合、夫にとって、最も重要なことは、誰かをどう責めるかではなく、傷付いた自分の自尊心を、どう回復させるかである。

 

 まだ、若い夫の老いは、たいがい、遺伝のせいである。まだ、若い妻の老いは、たいがい、家庭のせいである。

 

 誰もが羨む良い夫婦は、お手本ではなく、ただのイヤミである。

 

 一見して、誰もが羨む良い夫婦は、よく観察すると、二つの大きな虚栄心の塊でしかない。

 

 嘘つき夫婦は、仲良し夫婦。正直夫婦は、ケンカばかり。

 

 聡明な妻は、自分を無くしたフリをして、家庭ごと、自分色に染めてしまう。

 

 料理が下手だと自覚のある妻は、いちいち「美味しい?」と訊いてこないので、悪くない。

 

 やたらと掃除が好きな妻は、ただ、暇を持て余しているだけの妻かも知れない。

 

 やたらと噂話が好きな妻は、意外と、自分自身の評判を知らない。

 

 欲求不満の妻たちの第一の楽しみは、何と言っても、自分の夫以外の男と結婚していたら・・・と、無駄な空想することである。

 

 男は、家庭における妻の役割なんて、たいがい金で買えると思っている。女は、家庭における夫の役割なんて、元から、ないと思っている。

 

 一番好きな男(女)と結婚するのは、理想的な結婚ではなく、男(女)に対する理想を、失っていく結婚である。

 

 人生は算数ではないので、貧しい男と、貧しい女が、結婚しても、資産が増える(プラス)どころか、借金(マイナス)が出来てしまうこと、少なくなし。

 

 子供が出来て、やたらと態度が大きくなる妻は、やがて子供を武器にして、夫に、挑戦状を叩き付けて来るだろう。

 

 イカシタ妻と、イカレタ妻は、大体、同じ気質である。