イナシデス、読書について、かく語りき
面白い本とは、読んで、記憶に残るものというよりは、読んでいる時、今を忘れさせてくれるものである。
良い本と出会いたかったら、その何倍も、悪い本との出会いをしなければならない。
一冊の良書は、百人とのお喋りにも勝る。
良い本は、何度、読み返しても楽しめる。悪い本は、何度、読み返しても、同じようなところで、断念する。
つまらない本ばかり、勧めてくる友人とは、縁を切った方が良い。面白い本ばかり勧めてくる友人も・・・もしかしたら、人生の邪魔といえる存在かも知れない。
恋愛において、読書の趣味なんてものは、意外と問題にならない。
残念ながら、我が国で、読書好きを自認する者たちは、インテリより、インテリ風の方が、圧倒的に多い。
一流の読書家は、飛ばし読みが上手い。三流の読書家は、いつでも、熟読。
一冊の本を読むことで、解決するような悩みは、本当の悩みではない。
人生の答えが、たくさん載っているという触れ込みの、本の作者は、きっと、詐欺師である。
思い上がった人間は、本をたくさん読んではいけない。何もかも、知ったつもりになって、すぐ、誰かをバカにするから。
どんなに分厚い本を読んでも、そこから得られる知的栄養など、たかだか数行分である。
本で得た知恵や知識は、意外と、すぐ忘れる。
人生に成功すると、読書の時間は奪われる。それが嫌なら、さっさと失敗すること。すぐに、読書の時間が与えられるから。
短い時間は、読書に費やしなさい。長い時間は、読書以外に費やしなさい。
一冊の本に、すぐ影響を受ける者は、読書家とは言えない。
一万冊の読書をした者は、きっと、誰の影響も受けなくなるだろう。ただし、人生の大半との引き換えで、得るほどのことではない。
本を読むのは簡単である。内容を覚えようとしなければ。本を書くのも簡単である。内容なんて、気にしなければ。
本をたくさん読んでいると、世の中には、知らない方が幸せなことも、結構、あることに気付く。
「本を枕にして眠ると、賢くなる」 という迷信を実行する者は、今、私が作った「本で頭を殴ると、賢くなる」という迷信も、実行するに違いない。